制御性能監視/制御性能評価とは?

制御性能監視/制御性能評価の必要性

高い品質の維持,環境負荷低減,コスト削減,安全など,経済のグルーバル化を背景に,生産活動に突き付けられる要求は際限なく厳しくなってきています.このような時代の要請に応えるためには,生産プラントの能力を最大限に引き出すような運転を実現しなければならず,制御系の性能を高く維持することが最低限必要です.しかし,一般的な生産プラントには非常に多数の制御ループが存在し,どの制御ループがプラント全体の運転効率向上へのボトルネックであるかを見極めることは大変困難です.また,気温の変化,銘柄やロードの変更,触媒の劣化,伝熱係数の変化など多種多様な要因によってプラントの状態は時々刻々と変化するため,一度調整したコントローラであってもその制御性能が劣化している場合も多く,時にはその悪影響がプラント全体にまで及ぶこともあります.そればかりか,調整もされないままに使用されているコントローラも少なくないのが現状です.近年では,モデル予測制御に代表される大規模な多変数制御を導入し,高度な運転システムを構築する事例も増えていますが,それが計画通りの性能を発揮しているかどうかを常時監視し,必要に応じて再調整を行わなければ,高価なシステムが無駄となりかねません.このため,再調整を必要とするコントローラを検出する目的で,各制御系の性能を評価できるシステマティックかつ実用的な手法が必要とされています.

制御性能監視/制御性能評価とは?

制御性能監視(Control Performance Monitoring)/制御性能評価(Control Performance Assessment)とは,使用中の制御系が満足できる性能を発揮しているかどうかを監視または評価するための技術です.制御性能監視/制御性能評価を実施する際には,できるだけ生産プラントの運転を乱さず,オペレータにも負担をかけないことが重要です.このため,通常運転時の操業データのみから自動的に制御性能を評価できる技術が開発されています.

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